親父様の死への整理の付かない感情
私が亡き親父様へ親愛の情を持っていたかというと、たぶん無いと思う。
親父様への恩は多大にあるが、具体的な見返りを期待されてはいなかったと思う。
もう殺してくれと繰り返すほど苦しみ呻き、やがてそれも出来なくなり、果てに命を失って、そんな最期だとしてもそれが彼の築いた生涯までもを毀損できようはずもないのに、私は何をなぜそんなに悲しんでいるんだ?
身近な存在を失ったから?
人はいずれ必ず死ぬ、という事を改めて突きつけられたから?
身近な存在が激しく苦しんでいた様への同情?
わからない、まだ、いまだに、ずっと感情がぐちゃぐちゃのまま。
混沌をそのまま奥底に押し込めて、それでも耳に残る苦鳴の残響はEテレのハッピーな歌曲群で打ち消して、今に至る。